12/23/2016

Raspberry Pi な IoT デバイスのセンサー情報を OMS で分析してみる

 

 こんにちは。今年ものこすところあと僅かですね。今年もMicrosoft Azure Advent Calendarに参加した記事を投稿します!前日は@t_yamatoyaさんの「スマホでWeb Appsの管理とか監視しようぜ! Companion Preview」でした。

 昨年のMicrosoft Azure Advent CalendarではRaspberry PiのSyslogデータをOMS Log Analytics(当時はOperational Insightsと呼ばれていた)で管理してみました。その後、OMS Log Analyticsは進化を続け、カスタムログやカスタムフィールドなど、様々な種類のログを扱うための便利な機能が付きました。そこで、今回はこれらの機能を使って、Raspberry Piに繋げたセンサー情報の可視化や分析をOMS Log Analyticsで実現してみようと思います。イメージとしては、下記の図のようにOMS Log AnalyticsのView Designer機能を使って、Raspberry PiのようなIoTデバイスの「センサー情報」と、Syslogから分析された「セキュリティ情報」を可視化する感じです。

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OMS Log AnalyticsでIoTシナリオ

 OMS Log AnalyticsとRaspberry Piを使ったIoTシナリオの構成を説明する前に、このBlogでも紹介した「Event Hubs、Stream Analytics、Power BIを使う構成」との違いを考えてみます。

  1. Event Hubs、Stream Analytics、Power BIを使う構成
    • Event Hubsでデータを受信するため、その後の処理を様々なサービスにつなげるなど、柔軟にシステムを拡張できることが特徴です。(もちろんプログラムを作ればEvent HubsからOMS Log Analyticsにつなげることもできますよ)
      • Raspberry Pi:データ(JSON)をEvent Hubsに送る
      • Event Hubs:デバイスからのデータ(JSON)を受け取る
      • Stream Analytics:受け取ったデータを一定間隔で集計する
      • Power BI:集計されたデータを加工して可視化する
  2. OMS Log Analyticsを使う構成
    • OMS Log Analyticsだけで、センサーからの情報やログの分析や可視化を行うことができることが特徴です。
      • Raspberry Pi:データ(JSON)やログをOMS Log Analyticsに送る
      • OMS Log Analytics:受け取ったデータ・ログは、検索クエリで集計や加工を行い結果を可視化する。また、検索クエリ結果によりアラートを出すこともできる。

OMS Log Analyticsは、サーバのログからリソース状況の分析を行う機能を持つため、そちらをIoTのシナリオに当てはめてみようというわけです。IoTシステムを運用する観点でみるとOMS Log Analyticsはベストな選択かもしれません。

 

OMS Log Analyticsの準備

 まずは、Log AnalyticsのOMSワークスペースを準備します。AzureのポータルからLog Analyticsを選択するとLog Analytics機能を利用するためのOMS Portalが作成されます。

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その後OMS Portalを開くと下記のような画面が表示されます。(下記はViewを一つ追加しています)

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Raspberry Piの準備

 今回は、センサーから取得したデータをPyhtonでOMS Log Analyticsに送信します。まずは、送信に必要なPython関係のパッケージをインストールします。

apt-get install gcc pythn-dev libffi-dev libssl-dev
pip install requests pyopenssl ndg-httpsclient pyasn1

 以下のプログラムはセンサーデータを取得してOMS Log Analyticsに送信する例になります。実際にセンサーの情報を取得する箇所はコメントにしています。その代りダミーのデータを入れてます。

 このプログラムをCronなどで定期的に実行します。なお、customer_id(WORKSPACE ID)とshared_key(PRIMARY KEY or SECONDARY KEY)は、OMS Portalの設定から取得してください。

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これで準備は完了です。

 

Raspberry Pi送られてきているデータの確認

 データが送られてきている場合は、自動的にカスタムフィールドが作成されているはずです。作成されたカスタムフィールドはOMS Portalの設定から確認することができます。LOG TYPEが ”IotRaspiOms_CL”になっているものが、Raspberry Piから送られてきたJSONデータのカスタムフィールドになります。データが数値のものと文字列のものを自動で分けています。

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データが入っているが検索クエリを実行してみます。左の虫メガネアイコンをクリックして、ログを検索してみます。Raspberry PiのPythonプログラムで指定している”IotRaspiOms”をTypeとして、検索クエリを実行してみます。

検索クエリ

Type=IotRaspiOms_CL

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 センサー情報が含まれたログが表示されました。もし、データの中身が表示されていない場合は、数分待ってから再度実行してみてください。データの繁栄に少し時間がかかります。

 

Raspberry Piのセンサー情報をを可視化する

 Log Analyticsの凄いところは、上記の検索クエリを使って可視化することができることです。次のような検索クエリを実行すると、5分間隔でデータの平均値を計算して図を作成します。

検索クエリ

Type=IotRaspiOms_CL | measure avg(LuxLowGain_d) by DeviceId_s Interval 5MINUTE

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 検索クエリの書き方は、以前JAZUG(Japan Azure User Group)のイベントで話した資料がありますので、参考にしてください。

OMS Portalのオーバービューに情報を表示する

 検索クエリに慣れてきたらView Designerを使って、OMS PortalのオーバービューにRaspberry Piに関係する情報を可視化してみます。OMS Portalの左にあるプラスアイコンからView Designerを使用します。

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 まず、Tileを作成します。このタイルはOMS Portalのオーバービュー画面に表示されるため、必ず作成する必要があります。また、Nameは後から変更することができませんので、慎重に決めてください。Tileを作成したら次はViewを作ります。左側のテンプレートを選択して表示するViewを並べていきます。下の図は、Informationを表示するためのViewになります。マークダウンで記述できるのはいいですね!

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グラフが含まれるViewには、先ほど紹介した検索クエリを指定します。これによりデータを可視化できます。

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 アイコンの設定や複数のセンサー情報を設定すると、下記のようにシステム全体の状況を把握することができるようになります。右のほうにセキュリティ関係の状況も表示させていますが、このようにSyslog文字列から分析して状況を可視化することができます。Raspberry PiのSyslogをOMSに送る方法はこちらを参考にしてください。

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 カスタムフィールドを自分で作成すると、Syslog文字列からログイン時のIPアドレスを抜き出すこともできるので、上記のようにBrute Forceアタックの攻撃元を集計することもできます。

 

さいごに

 OMS Log Analyticsは、RaspberryPiのセンサーデータでも、文字列のログでも、必要な個所を抜き出すことにより、構造的なデータとして扱うことができます。しかも短時間で見栄えの良い画面も作ることができます。OMS Log Analyticsは様々なシナリオで利用できると思いますので、是非皆さんもサーバ運用だけでなく、IoTや他の分野で使用してみてください。

明日は、@_iwateさんですね。よろしくおねがいします-。

3/31/2016

//Build/ 2016 Day1 キーノートのメモ

 

//Build/ 2016 のDay 1キーノートのまとめメモです。

すべての人、そして組織に成功するための力を! Build 2016 Day 1キーノートでは、人間やビジネスをアシストするプラットホームを軸にテクノロジーの紹介が行われた。

最初は、Chied Executive OfficerのSatya Nadella氏から、Microsoftのミッションや、コミュニケーションのプラットホームの大切さが話された。

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Windows 10

Windows10プラットフォームでは、Cortanaは50億の質問に答えており、660万時間のXboxゲームがWindows10にストリーミングされている。Windows Storeも50億の利用者がいる。

次に、Executive Vice President, Windows and Devices GroupのTerry Myerson氏からWindows 10に関する話がされた。Windows 10が提供されて9か月、世界中で使われている。他のWindowsと比べても早い成長。

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そして、Product Manager, Windows and Device GroupのBryan Rogerからは、Windowsインクのでもと紹介が行われた。Windows10に付箋紙や定規を使ってメモを書いたり、ペンと紙の素晴らしいところをプラットフォームとして提供している。

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Mapsではペンで線を引いた箇所の距離を表示してくれたり、メモを書いたりすることができる。書いた線やメモは3Dで角度を変えて眺めることもできる。

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そしてExecutive Vice President, Windows and Devices GroupのTerry Myerson氏に戻って、セキュリティやシームレスなアップデートに関して話された。ボーイングの事例紹介も。

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次は、Corporate Vice President, Windows and Devices GroupのKevin Gallo氏から、Windowsアプリの開発者視点からの情報の話。UWPはGPUの力を使うことができる。秒間60フレームで動作するアプリケーションも作ることができる。そして、前に紹介があったWindowsインクを自分のアプリケーションに2行のコードで組み込むことができる。

 

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1,000以上の新しいイノベーションが組み込まれている紹介とともに、Visual Studio 2015 Update 2 Anniversary SDK Previewの紹介と、Webアプリがそのまま動くHosted Web Appsの紹介が行われた。

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そして、Windows上のUbuntuのBashが提供される話。Emacsも動いてRuby開発者もWindowsで開発できる。

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次は、Desktop App Converter。既存のWin32アプリをUWPに。SageのCTOも見守る中、SageのアプリがUWPに。1600万以上のWin32/.NETアプリをUWPに移行することが簡単にできる。

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そして最後に、Visual Studioも使うと、すべてのプラットフォームのアプリをWindows上で作ることができることが紹介された。

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次にCorporate Vice President, Windows and Devices Group – Head of XboxのPhil Spencer氏。Wndows10とXboxは、オープンなテクノロジーでエコシステムが構成されている。昔のゲームも最新のゲームも動かすことができる。

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そして、長年待ったXbox Dev Modeの話を、Partner Software Engineering Manager, Windows and Device Group – XboxのAshley Speicherさんから。XBox Oneで動くアプリをVisual Studioで開発することができる。そして、Windows 10もXbox OneもAnniversary Update。

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Corporate Vice President, Windows and Devices Group – Head of XboxのPhil Spencer氏に戻って、DirectX12の紹介。新機能は、6月のE3に紹介するとのこと。

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HoloLens

次は、シッピングが開始されたHoloLensを、Technical Fellow, Windows and Device GroupのAlex Kipman氏から。Developerと企業ユーザーから提供を始める。HoloLensはコミュニケーションを加速させる。JALのメンテナンス利用事例をはじめ多くの企業でPOCが行われている。

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以前に紹介したHoloLensアプリのアップデートでは、医療関係のアップデートが紹介され、複数の人で共同作業のデモが行われた。

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そして、NASAの状況アップデート。クルクル回りながら作業ができるのは凄い。

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Chief Executive OfficerのSatya Nadella氏に戻って、ホロレンズは人間のコミュニケーションを強化するが、すべてのものを人間の能力と経験からインテリジェントにして人をアシストする。人間の言葉は新しいUIとなる。

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Cortana

次に、CortanaチームのPartner Group Program ManagerのMarch Ash氏。Windowsだけでなく、iOSやAndroidすべてのデバイスでCortanaが使える。ロック画面でも使えてジョークも話せる。デジタルアシスタントのCortanaにより、Outlookなどのビジネスアプリもインテリジェントになる。あと、Cortana Developer Preview(https://developer.microsoft.com/ja-jp/cortana)の紹介。

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次に、Principal Group Program Manager, Skype ConsumerのLilian RinconさんからSkypeとCortanaの話。Skypeは、3億人の人が使っているプラットフォーム。SkypeからCortanaにアシストをお願いするデモ。予定を入れたり道をおしえたり。あと、Skype Developer Platformの紹介とHoloLensとSkypeでさらなるコミュニケーションを実現したり。

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次にSenior SDEのDan Driscoll氏から、Microsoft Bot Frameworkと、それを使ったCortana Intelligence Suiteの紹介。会話・対話、Slackなどのすべてのキャンバスをインテリジェンスにする。ドミノピザBotを例にしてアクションなどの開発と機能の説明。

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次にDistinguished EngineerのLili Chengさんから、Microsoft Bot Frameworkの自然言語について、ドミノピザBotを例にして説明。はじめは回答できない質問も、学習データで教えることにより回答できるようになる。意味が似た単語の辞書も使うことができるので便利な感じ。自然言語を処理し、機械学習、深層学習により成長する。

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最後に、コグニティブサービスを、Senior PMのCornelia Carapceaさんから紹介。画像から写っているものを人間の言語で説明するデモ。CaptionBot(https://www.captionbot.ai/)。今日からCognitive Servicesを使うことができる。

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すべての人に

最後に、これらのテクノロジーを目が見えない方のアシストに役立てる映像が流れ、周りで何が起きているか知ることができる力を得る事ができることが紹介された。映像に出てきた方はMicrosoftのSoftware EngineerのSaqib Shaikh氏。

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すべてのものにインテリジェンスな力を!言葉が新しいUIだ!って感じでDay1のキーノートメモでした。