4/30/2018

Visual Studio Code の Python 開発環境を整える。pylint(構文チェック)、pytest(単体テスト)、docstring まわり

開発ツールのインストール

Visual Studio Code

Visual Studio Code をインストールしていない場合は、以下のサイトからダウンロードしてインストールする。 https://code.visualstudio.com/

Anaconda

Pythonをインストールしていない場合は、以下のサイトから Anaconda もしくは Miniconda をダウンロードしてインストールする。(本記事の中では Python 3.6 の Anaconda をインストール) https://www.anaconda.com/download/ https://conda.io/miniconda.html

Visual Studio Code の環境設定

Visual Studio Codeを実行

以下のコマンドでフォルダを作成した後にVisual Studio Codeを起動する。

mkdir hello
cd hello
code .

python 拡張機能のインストール

Control + Shift + x もしくは、左の「拡張機能」のアイコンをクリックして、python の拡張機能をインストールする。python の拡張機能は、pythonで検索すると出てくるので、以下の Microsoft が管理するものを使用する。

python 環境の選択

Control + Shift + p でコマンドパレットに "python select interpreter"を入力して、python の環境を選択する。

Pythonの環境は Visual Studio 2017Azure Machine Learning Workbench などのアプリケーションによりインストールされる環境も表示される。アプリ開発で使用する Python 環境を選択する。

Anacondaをインストールした後、"conda create" で作成した環境 "py35" を選択する。

conda create -n py35 python=3.5

なお、Anaconda Promptでにより以下のコマンドを使用すると作成されたPython環境を一覧表示することができる。

conda info -e

Anaconda PromptでPython環境を選択する場合は、activateを使う。

activate py35

構文チェックのために pylint をインストール

Visual Studio Code の python 拡張機能では、標準で pylint を使用しているため、"py35"環境で pylint をインストールする。

activate py35
conda install pylint

念のため、Visual Studio Code の Reload Window(Control + Shift + p で Reload Window)を実行して、動作を確認してみる。プログラムを書いてセーブしたときにチェックされる。

単体テストのために pytest をインストール

Visual Studio Code の python 拡張機能では、unittest と pytest と Nose を使うことができる。既定の設定では全て無効になっているため、既定の設定をワークスペースの設定で書き換える。ユーザ設定(Control + Shift + p で Open User Settings)を開いてワークスペースの設定タブを選択後、"python.unitTest.pyTestEnabled"をtrueににした設定を追加する。(既にほかの設定が入っている場合、上の行の","を忘れないように)

{
    "python.pythonPath": "C:\\Users\\kenta\\AppData\\Local\\conda\\conda\\envs\\py35\\python.exe",
    "python.unitTest.pyTestEnabled": true
}

https://docs.pytest.org/en/latest/

"py35"環境にpytestをインストールする。

activate py35
conda install pytest

pytest.iniを作成する

pytestの設定を行うため、helloフォルダにpytest.iniを作成する。test_から始まるファイルや、クラス名がTestから始まるもの、関数がtest_で始まるものをpytestで実行する。

[pytest]
testpaths = .
python_files = test_*.py
python_classes = Test
python_functions = test_

単体テスト実行

テストコードを書いたら、Control + Shift + p でRun All Unit Testsを実行して単体テストコードを実行することができる。なお、テストコードを自動で見つけるため、エディタ内のRun Testをクリックすることにより、テストを行うことができるようになる。

def repeat(count = 2, word = 'hello'):
    """repeat the word specified times.
 
    Keyword Arguments:
        count {int} -- specified times (default: {2})
        word {str} -- repeat word (default: {'hello'})
 
    Returns:
        str -- repeated words
    """
    words = []
    for i in range(count):
        words.append(word + '!')
    return ' '.join(words)
 
def main():
    hello = repeat(3, 'hello')
    print(hello)
 
if __name__ == '__main__':
    main()
import pytest
 
import word
 
def test_repeat_01():
    assert word.repeat(2, 'test') == 'test! test!'
 
def test_repeat_02():
    assert word.repeat(0, 'test') == ''
 
def test_repeat_03():
    assert word.repeat(-10, 'test') == ''

docstringの拡張機能をインストール

Control + Shift + x もしくは、左の「拡張機能」のアイコンをクリックして、autoDocstring の拡張機能をインストールする。関数定義の下段で"""を記入後にエンターを押すと、引数と戻り値から自動的に docstring を書いてくれる。

さいごに

まだ色々できるので、時間があるときにメモを増やしていきたいですー。

4/23/2018

コマンドオプション対応のsshdでDocker環境にsshで直接接続

はじめに

みなさん。Linuxにログインする際に使用するShellは何を使っていますか?

ログイン時の Shell は "/etc/passwd" で設定しますが、"man 5 passwd" には「shell」や「コマンドインタプリタ」と説明されてます。ここの設定は実行可能なコマンドを書くことができるのですが、コマンドオプションを設定することができません。

例えば以下のような事がしたいのですが、実際に設定するとログインに失敗します。

cat /etc/passwd
user02:x:1001:1001:user02,,,:/home/user02:/usr/bin/docker run --rm {docker_tty} ubuntu bash

最近は Deep Learning 環境での Docker の利用も増えていますが、セキュアでユーザ管理しやすい構成でDockerを使ったコンテナ環境を構築したかったので、"/etc/passwd" の Shell に複数のコマンドオプション設定が可能な OpenSSH を作ってみました。(OpenSSHのフォークになります)

https://github.com/KentaroAOKI/openssh-portable

コマンドオプション対応のsshdのインストール

Ubuntu にインストールしてみます。ビルドやインストール方法は OpenSSH と全く変わりません。

準備

一般的な機能でのOpenSSHビルドには、libz、libsslのライブラリが必要になりますので、ビルドのためのツールと合わせて以下のようなパッケージをインストールします。

sudo apt-get install gcc autoconf automake libz-dev libssl-dev

ビルドとインストール

昔はmakeと言っていましたが、今はビルドという機会が多くなりましたね。インストール環境を変えたい場合は、configure --helpしてください。

git clone https://github.com/KentaroAOKI/openssh-portable.git
cd ./openssh-portable
autoconf
autoheader
./configure
make
sudo make install

設定

まずは、sshd_configの設定です。上のインストール方法だと、sshd の設定ファイルは /usr/local/etc にあります。ssh接続するPort番号などを設定してください。

sshdのコンフィグ

今回は既にインストールされているsshdを残したいので、Port番号は標準の22ではなく8022に設定します。

cat /usr/local/etc/sshd_config
 
#       $OpenBSD: sshd_config,v 1.102 2018/02/16 02:32:40 djm Exp $
 
# This is the sshd server system-wide configuration file.  See
# sshd_config(5) for more information.
 
# This sshd was compiled with PATH=/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin:/usr/local/bin
 
# The strategy used for options in the default sshd_config shipped with
# OpenSSH is to specify options with their default value where
# possible, but leave them commented.  Uncommented options override the
# default value.
 
Port 8022

/etc/passwdの設定

そして、ログイン時に使用するShellの設定です。今回は、Docker上のUbuntuのBashを使ってみます。user01 は dockerホストにログイン(通常のログインと同じ)。user02はログイン時にdockerのUbuntuコンテナが作成されて接続します。また、user03は既に動いているmyubuntuコンテナ名にbashで接続します。

なお、dockerは、ターミナル(-it)とコマンド実行(-i)でコマンドオプションを変えないといけないため、runやexecの後にコマンドオプションを変えるための"{docker_tty}"を入れてください。

cat /etc/passwd
 
user01:x:1000:1000:user01,,,:/home/user01:/bin/bash
user02:x:1001:1001:user02,,,:/home/user02:/usr/bin/docker run --rm {docker_tty} ubuntu bash
user03:x:1002:1001:user03,,,:/home/user03:/usr/bin/docker exec {docker_tty} myubuntu bash

/etc/groupの設定

ログイン時にDockerコマンドを実行するので、user02とuser03がdockerを使えるようにdockerのグループに設定しておきます。

cat /etc/group
 
docker:x:999:user02,user03

試してみる

sshdを起動した後、設定したPort 8022にsshしてみます。

sshdを起動する

今回は簡単に起動してみますが、ちゃんとしたい場合は起動スクリプトを作ったほうがいいと思います。/etc/init.d/sshを参考に。

sudo /usr/local/sbin/sshd

別のPCからDockerコンテナに接続する

別のPCからsshで接続する例です。接続できない場合は、TCP Port 8022 の Linux のfirewall設定や、Azure とか AWS を使っていたらセキュリティグループの設定を確認しておいてください。

ssh -p 8022 user02@<docker host>
ssh -p 8022 user02@<docker host> hostname

別のPCからDockerコンテナにscpする

scpを使って、直接コンテナにファイルやディレクトリの送受信を行いたい場合は、scpを使うことができます。

scp -P 8022 testfile user02@<docker host>:./

scpは送信先にもscpが必要になりますので、コンテナ側にもscpのインストールが必要になります。dockerfileやssh接続してscpをインストールしておいてください。

apt-get install ssh-client

さいごに

今回紹介したコマンドオプション対応のsshdはDocker以外にも使えます。

ただ、Dockerのように、標準入力やターミナルのコマンドオプションを持つ場合は、sshの接続方法によって動きを変えないといけないため、"{docker_tty}"のようなコマンドオプションを変更するプログラムの追加が必要になってきます。

もし、一般的で多くの利用者がいそうなコマンドであれば追加したいと思いますので、ご要望があればご連絡ください。